LB004_金融商品取引法の変更
2026/08/13
【保存版】2021年〜2026年 金融商品取引法(金商法)の法改正ロードマップを分かりやすく解説!
企業法務や金融実務に携わる皆様、こんにちは。
近年、金融商品取引法(金商法)とその関連法制は、毎年のように大きな法改正が行われており、実務への影響も多大です。
「どこでどんな改正があったのか全体像がつかみにくい」「施行タイミングがバラバラで整理できない」とお悩みの方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、2021年から2026年までの金商法関連の主要な法改正の動向を、ブログ形式で分かりやすく一挙にまとめました。
実務上のポイントを押さえるためのロードマップとして、ぜひご活用ください。
2021年〜2022年:金融サービス仲介業の創設と四半期開示の議論
2021年から2022年にかけては、2020年に成立した関連法の施行や、後の大規模改正に向けた審議会での議論が中心となりました。
- 金融サービス仲介業の本格始動:
2020年に成立した改正法に基づき、「金融商品の販売等に関する法律」が「金融サービスの提供に関する法律」へと改称されました61。
これに伴い、新設された「金融サービス仲介業」の制度が2021年11月1日から施行されました6163。 - 四半期開示の見直し議論:
2022年12月27日、金融審議会のディスクロージャー・ワーキング・グループが報告書を公表しました62。
ここで、金商法上の四半期報告書を廃止し、取引所規則に基づく四半期決算短信へ一本化する方向性が示されました62。
2023年(令和5年)改正:企業開示の効率化と顧客本位の推進
2023年は、金商法本体の重要な改正法が国会で成立した年です。
2023年3月14日に改正法案が国会へ提出され、同年11月20日に成立、11月29日に公布されました424775。
この改正は「顧客本位の業務運営の確保」「金融リテラシーの向上」「企業開示制度の見直し」「デジタル化等への対応」の4つを主な柱としています52。
- 四半期報告書(第1・第3四半期)の廃止:
法定の四半期報告書が廃止され、証券取引所の四半期決算短信へ一本化されました58。
この規定は2024年4月1日から施行されています4353。
これに伴い、有価証券届出書において四半期財務情報を記載できる枠組みなど、関連するガイドラインの整備も行われました57。 - 書面交付義務の「情報提供義務」への見直し:
契約締結前等に義務付けられていた書面交付規定が、電磁的方法を含む「情報提供」義務へと変更されました6891。
あわせて、顧客の属性に応じた説明義務が法律上規定されました91。 - 最善の利益勘案義務の導入:
顧客等の最善の利益を勘案する義務のほか、アナログ規制の見直しなどが盛り込まれました2848。
これらの政省令は2024年10月30日および11月1日より順次施行されています2876。
2024年(令和6年)改正:資産運用立国とM&A・大量保有ルールの抜本改定
2024年の通常国会では、いわゆる「資産運用立国」の実現やM&A市場の健全化を目指した改正法が成立しました。
2024年5月15日に「金融商品取引法及び投資信託及び投資法人に関する法律の一部を改正する法律」が成立し、5月22日に公布されました4546。
この改正では、金融商品取引法だけでなく投資信託法などもあわせて見直されています45。
- 投資運用業者の参入促進と業務委託:
ミドル・バックオフィス業務を受託する「投資運用関係業務受託業」の登録制度が新設されました2546。
また、投資運用業者が運用権限を全面委託することが可能となり、委託元の管理責任制度が整備されました25。 - 非上場有価証券の流通活性化(登録PTS):
非上場有価証券のみを取り扱う私設取引システムについて、認可を要さず第一種金融商品取引業の登録で運営できる「登録PTS制度」が創設されました3345。 - 公開買付(TOB)制度の見直し:
市場内取引を含め、企業支配権に重大な影響を与える買付けについて公開買付けを義務付ける対象が拡大されました4445。
義務付けの閾値が「3分の1」から「30%」へと引き下げられるとともに、適用除外となる「僅少買付け」の基準が1年間で1%未満と定められました3844。 - 大量保有報告制度の見直し:
共同保有者の範囲や「重要提案行為等」の定義が整理・明確化されました7992。
現金決済型エクイティ・デリバティブ取引の取扱いについても規定が整備されています4579。
この令和6年改正のうち、公開買付制度および大量保有報告制度の見直しに関する政省令は2025年7月4日に公布され、一部を除き2026年5月1日から施行されます128496。
2024年〜2026年:政省令の細部整備と実務への定着
法律の改正と並行して、内閣府令や監督指針などの下位規範の細かな見直しも継続的に実施されています。
- インサイダー取引規制や開示ルールの見直し:
2024年9月にはインサイダー取引規制に関する取引規制府令が改正されました2430。
2024年11月には政策保有株式の開示に関する府令改正案が公表されています2731。
また、2025年4月には役員・従業員持株会に関する定義府令の改正案も公表されています5。 - 企業と株主の合意に関する臨時報告書事由の追加:
企業と株主の間のガバナンス合意や株主保有株式の処分・買増し等に関する合意について、臨時報告書の提出事由に追加されました5657。
2026年以降の展望:さらなる規制見直しと暗号資産の金商法化の議論
今後の法改正に向けた検討も活発に行われています。
- インサイダー取引規制・課徴金制度の強化提案:
金融審議会「市場制度ワーキング・グループ報告」では、インサイダー取引規制の対象者を公開買付対象企業の交渉相手にまで拡大することや、親会社定義の見直しが提案されています13。
さらに、TOB違反や大量保有報告違反に対する課徴金水準の引上げ、高速取引(HFT)による相場操縦への対応、他人名義口座の提供者への課徴金創設なども提言されています13。 - 暗号資産規制の金商法移行に関する議論:
2025年7月、金融庁は金融審議会のもとに「暗号資産制度に関するワーキング・グループ」を設置しました6。
同ワーキング・グループの議論では、暗号資産に対する規制を資金決済法中心のものから金融商品取引法中心のものへ見直す方向性に対して肯定的な意見が多く述べられています6。
ただし、最終的にどのようなフレームワークでの規制に着地するかは現時点で不透明とされています6。
おわりに
2021年から2026年にかけての金商法改正は、ディスクロージャーの効率化からM&A・大量保有ルールの見直し、資産運用業の参入促進まで、多岐にわたっています。
特に2024年4月に施行された四半期報告書の廃止や、2026年5月1日に施行される公開買付・大量保有報告制度の改正は、上場企業や投資家にとって非常に大きな実務上の節目となります。
自社の開示実務やガバナンス体制、M&A対応手順について、最新の施行スケジュールに沿って点検を進めておくことが大切です。
AIの回答には誤りが含まれる場合があります。実際の文献もあわせてご確認ください。
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