LB018_中小企業が顧問弁護士をつけたときのメリット
2026/09/17
以下、中小企業が顧問弁護士をつけたときのメリットについて、BUSINESS LAWYERSの記事等を基にまとめました。
1. 契約トラブルを未然に防ぐ「予防法務」の担い手になる
まず最大のメリットは、日常的な契約書のチェックを通じてトラブルを未然に防止できることです。契約書を作成するプロセスでは、将来発生しうるクレームや紛争を想定し、当事者間で権利義務・リスク分担を明確化しておくことが重要とされており、これが契約書によるリスクマネジメントの本質です4349。法律実務は紛争解決のための訴訟実務と、紛争予防のための予防法務に大別されますが、契約実務の世界では、紛争が発生した後の処理よりも、紛争を未然に防ぐ予防法務がそのほとんどを占めるといわれています49。
この点、中小企業には契約書にお金をかけたがらない傾向があり、自社で作った契約書が原因で後から問題になるケースが少なくないことが指摘されています44。とりわけ、大手企業から提携を持ちかけられて喜んでいたところ、実際には相手方に一方的に有利な内容だった、というような事案では、弁護士の知見の有無で交渉結果に大きな違いが生まれるとされます22。相手方から送られてきたひな形をそのまま利用したり、営業担当の話を十分に聞かないまま定型的に処理してしまうといったミスは、法務専任者のいない中小企業では起こりやすい落とし穴です42。顧問弁護士がいれば、こうしたリスクをドラフト段階で摘み取ることができます。
2. 労務トラブル・ハラスメント対応の体制整備
近年は労務管理のハードルが高くなっています。2022年4月1日からは、いわゆるパワハラ防止法が中小企業にも施行されており、事業主にはパワーハラスメント防止のための雇用管理上の措置を講じる義務が課されています40。この措置に対応するためには、就業規則等の服務規律の整備、社内研修、相談窓口の設置等が必要とされており40、就業規則や研修コンテンツの整備、相談窓口の設計等について顧問弁護士のサポートを得られる意義は大きいといえます。
また、以前はうやむやなまま終わっていたような従業員や取引先とのトラブルが、最近では法廷の場で争われるケースが増えているとの指摘もあり2266、日常的に相談できる顧問弁護士の必要性は高まっているといえるでしょう。
3. 有事対応 ―― 訴訟・災害・事業再生
いざ訴訟を提起されたときにも、顧問弁護士の存在は大きな支えになります。訴状が届いた場合、第1回口頭弁論期日の1週間程度前までに答弁書を提出しなければならず、訴訟代理人を委任する弁護士も早急に選定する必要があります14。従来から付き合いのある顧問弁護士がいれば、まずその弁護士が候補となりますし、複数の顧問弁護士がいる場合には、訴訟経験や案件分野への精通度合いに応じて選定することも可能です14。会社の内情や取引実態を平時から知っている弁護士が対応してくれることは、ゼロから事情説明を要するスポット依頼と比較すると、初動の速さで大きな差になります。
災害等の非常事態においても、事業の中断による契約の債務不履行、従業員・顧客の負傷などの法律問題が発生し、顧問弁護士への相談は不可欠となります2161。BCPの観点から、災害時の対応をしっかり検討している弁護士を顧問に持つことは大変心強いと評価されています21。
さらに、経営が悪化した局面では、事業再生ADRのような準則型私的整理手続の活用も選択肢となり、対象債権者全員の同意を要件としつつ、法的整理に準じた透明性や税務上のメリットが認められています39。こうした複雑な手続きを検討するにも、平時から会社の財務・取引状況を把握している顧問弁護士の存在が重要になります。
4. 社内の意思決定・社外交渉での「後ろ盾」
顧問弁護士は、単に法律問題を解決するだけでなく、社内の合意形成を後押しする役割も果たします。実際、企業の法務担当者からは、自分たちで結論はわかっていても、社内を説得する材料が欲しいときに弁護士に意見を求めるとの声があり、ビジネスにストップをかけたいときにも、逆に進めたいときにも活用されています23。顧問料の範囲内で日常的な相談に対応してもらえる契約形態が一般的で、訴訟対応など重い案件のときのみ追加費用が発生する運用も広く見られます8。また、顧問弁護士を「壁打ちの相手」「懐刀」として使い、意思決定の質を高めるという活用法も勧められています35。
5. 利用にあたっての留意点
もっとも、顧問弁護士に何でも依頼すればよいわけではありません。専門性の高い分野については、案件によっては顧問弁護士以外の弁護士も含めて選択肢を広げた方が、コストや成果の面で有利になることがあります835。また、内部通報制度の外部窓口を顧問弁護士に委託する場合、通報者に「会社に筒抜けになるのではないか」という懸念を抱かせ、通報が萎縮するおそれが指摘されており、匿名性の確保や中立性の周知、あるいは受付・調査業務のいずれかを顧問弁護士以外の弁護士に委託することの検討が必要とされます3432。顧問弁護士は万能ではなく、役割に応じた使い分けが求められる、という点は押さえておくべきです。
まとめ
中小企業にとって顧問弁護士をつける最大の意義は、①契約書チェックによる予防法務、②労務・ハラスメントへの体制整備、③訴訟・災害・事業再生といった有事対応、④社内外の意思決定を裏づけるアドバイザー機能、を継続的な関係の中で得られる点にあります2122404349。とりわけ、契約書に十分なコストをかけず、法務専任者もいないことが多い中小企業では、日常的な取引の一つひとつに潜むリスクを平時から抑えることの効果が大きく44、「トラブルが起きてから探す」よりも「起こる前に付き合いを作っておく」意義は大きいといえます。
AIの回答には誤りが含まれる場合があります。実際の文献もあわせてご確認ください。
----------------------------------------------------------------------
オンライン法律事務所タマ
東京都東大和市上北台3-429-24 サンライズビル305
電話番号 : 080-7026-2558
弁護士による非対面の法律相談
弁護士による企業法務の相談
弁護士との顧問契約で築く信頼
----------------------------------------------------------------------